リクルートスタッフィング、好調の理由
2007年09月10日
リクルートスタッフィングは「すぐにまねできる」という視点で時間管理やノウハウを共有し、部門を超えたコミュニケーションを活性化する効果も狙う。
生産性を上げ、急激に拡大を続ける人材市場で勝ち残る。
求人意欲の急激な高まりを受けて、人材派遣会社の業績も好調だ。
その中でも伸びが目覚ましいのが、人材を派遣するプロフェッショナルスタッフィングディビジョンと呼ばれる事業部だ。
スキルを全員で吟味 営業担当者は売り上げを競い、月間、四半期、年間といった節目で優秀成績者が表彰される。
社員が持つ業務ナレッジを優秀なアイデアを表彰する。
従来は社員のナレッジ提出は任意だったのに対して、「新生ベスプラ」では各人がナレッジを出すことが求められる。こうしたナレッジを、複数段階で社員同士が評価し、優秀アイデアを絞り込む。
普段一緒に仕事をスタッフ同士を混成させる。このチームで、各人が1個ずつ自分のナレッジをシートにまとめて持ち寄り、チーム内のベスプラを決める。選出されたナレッジのシートを壁に張り出し、1週間程度の「公示期間」を経た後に、ディビジョン内の全社員の投票によって「ベストプラクティス賞」「グッドプラクティス賞」など優秀賞を選出する。
討議、公示、投票といったプロセスを踏むことで、優秀ナレッジは様々なナレッジが社員の目に触れるようになった。
社員の「小さな工夫」を顕在化し、多くの人の目に触れさせる[画像のクリックで拡大表示]
優れたスキルとして選ばれるものも変わった。
従来は成約法など、業績と身近で「すぐまねできる」業務ナレッジが関心を集めるようになったという。
時間管理ツールで生産性アップ その典型が、2006年の第2回ベスプラで優秀となった時間管理ツール「ズバリ!目標達成できる!村井式スペシャルツール」だ。
3枚の紙で「目標」「時間」「タスク」を管理し、仕事を効率化するこのツールは、業績表彰の常連であるITスタッフィング部営業3課の村井麻香チーフが発案したものだ。優秀に社員が実践を始めている[画像のクリックで拡大表示]
1枚目は目標管理用の月間カレンダー。
2枚目は週間カレンダーで、1枚目の目標を達成するために派遣スタッフとの打ち合わせなどの予定を書き込む。3枚目はタスク管理シートだ。
「1タスク1メモ」で、その日やるべき業務を、のり付き付せん紙に書き込んでいく。これを「重要度・緊急度の高低」と「自分でやるべき業務(アクション)・待ちの業務(ウエイティング)」で4象限に分割したシートに張り付け、仕事の進ちょくに応じて移動させる。アクションの象限に「書類作成」があったと自分で書類を作って上司に確認を得る段階でメモがウエイティングに移動する。「メールや電話に対応するだけでもタスクの状態は変わっていく。付せんをどんどん張り替えていくと、仕事が進ちょくする実感が得られ、やりがいが出る」と村井チーフは話す。このツールは多くの社員から票を集め、課ぐるみでツールを使い始めた例もある。
村井チーフは内勤から営業に異動した際に、重要性を痛感し、試行錯誤を重ねながらツールをブラッシュアップしてきたが、「これまでそのノウハウを周囲に具体的に話すことはほとんど無かった」と言う。ノウハウを隠そうとしたからでは「他人にとって価値のあるものだとは思っていなかったから」だ。ベスプラで、村井チーフが参加したチームでは、最初に飲み会を開いて仕事上の悩みなどをざっくばらんに話し合った。
悩みを聞いて、「少しでも参考になれば」と村井チーフが持ち出したのがきっかけで、チーム代表となった。ナレッジに対して、チームメンバーが「推薦シート」を書くというルールがある。「他人の視点で『なぜこのツールが有効なのか』をまとめたものを見ると、自分が気づいていなかったメリットや活用法を改めて理解できた」と村井チーフは話す。コミュニケーションも促進 いいナレッジを引き出す過程では、チームリーダーの手腕も問われる。
チームリーダーを選ぶ際に検討を重ねる。
リクルートスタッフィングでは全社の48部がそれぞれ収支責任を持つユニットとして、戦略に基づいた投資を行うなどの権限を持っている。ユニット横断の取り組みを活性化させることで、個々の持つナレッジをできるだけ幅広い組織で活用していく。
多忙な業務に普段は話をする機会を持ちにくい社員たちを、積極的に触れ合わせるための有効な投資といえそうだ。
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